2011年3月11日から6年…原発の事故による深刻な環境汚染の実相が少しずつ明らかになりました。たらちねでは、「予防原則」の観点から、地域の子どもたちが健康に成長できることを願い「たらちねクリニック」を開設しました。大切な子どもたちの健康を末永く見守っていきたいと思います。
院長挨拶
昔々、いたいけな少年を乗せた父の車は、野を越えへ山を越へ、行ったことのない「ハワイ」に向かいました。途中、ジャンプしたりスタックしたりの大冒険のすえ、やっと福島県の常磐までたどり着いたのであります。
「お~すげ~!なんだべ、こりゃ~!」的なフラダンスショーは、夕食を忘れてしまうほどの迫力でした。見たことのない異国の音楽と踊りに見とれていた少年は、美しいダンサーのおばちゃんにつかまり、舞台の上まで連れていかれてしまいました。今にして思えば、その化粧コテコテのおばちゃんは、うら若きフラガールだったのでしょうけど・・。10歳にもならない少年は、「俺の人生は終わった」とばかりに覚悟を決め、お尻をくねくねさせ、初フラ体験をしたのであります。
もしかするとその時に少年は、この地に戻ってくるという運命を、背負ってしまったのかもしれません。
原発事故から、ひと昔前がたちました。あの時生まれたばかりの子は小学生になり、当時の高校生は母や父になり、赤ちゃんを連れてクリニックに来たりもしています。原発事故の時、何才でどこで何をしていたのか。その時の健康への影響はどうなのか。裏山のキノコや山菜、畑の作物は食べられるのか。小さい子どもに食べさせても大丈夫か。そんな心配事は今でもあり、その答えは、地域や家族によって違い様々ですが、注意が必要な場所や食べ物は、まだまだ身近に存在しています。
心配事を何でも相談でき、子どもたちの健康を見守ってくれるようなクリニックがあってほしい。そんなお母さんたちの素朴な願いが実を結び、2017年5月、たらちねクリニックは立ちあげられました。
最近では、体調不良で来たのに、診察室を素通りして、奥のプレイルームに直行する子。予防注射の後、わざわざ待合室に戻り、順番待ちをしている子の前で「痛かった~!」と大泣きで報告する子。診察が終わった後も、ずっとお母さんに絵本を読んでもらっている子。いろいろな子どもたちがいます。もしかするとクリニックを育てているのは、そんな子どもたちなのかもしれません。
お母さんたちがつくり、子どもたちが育てるクリニック。
これからもみなさんと共に、歩んでいきたいと思います。
2022年10月
院長プロフィール
藤田 操
1961年(昭和36年)11月14日生
栃木県大田原市出身
- 金沢医科大学卒業
- 医師 初期研修後、フィリピンに渡り、貧困地区で医療活動に従事。
- 帰国後、東京で消化器内科医として医療従事。
- 2011年3月11日の東日本大震災後、2012年より福島県に移住し病院に勤務し、たらちねの甲状腺検診の協力を始める。
- 2016年~2017年「沖縄・球美の里」子どもの保養施設がある沖縄県久米島に移り、「公立久米島病院」に勤務。
- 2017年~ たらちねクリニック院長に就任(内科・小児科)
【趣味】
- マラソン フルマラソン3時間43分
- 読書(時代小説)
- 沖縄三線(修行中)
- ツーリング(モトグッチ)
みさお先生のたらたら日記 – ぼくのノオト –(PDF)
診療案内
診療科 | 内科・小児科 |
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診療内容 | 予防接種、甲状腺検診、健康診断各種など |
電話番号 | 0246-38-8031 |
ファックス | 0246-38-8322 |
インターネット予約 | https://airrsv.net/tarachine-clinic/calendar ※インターネット予約は休止中 |
診療カレンダー | 9月・10月の診療カレンダー(PDF) |
※インターネット予約は休止中
予防接種について
診療時間内のご希望のお時間で接種可能です。
ご希望の方はご連絡ください。
- 麻疹・風疹混合(MR1・2期)
- 日本脳炎
- DPT-IPV(四種混合)
- DT(ジフテリア・破傷風)
- おたふくかぜ
- 水痘
- 高齢者肺炎球菌
- インフルエンザ
甲状腺検診について
クリニックでは随時、甲状腺検診を受け付けております。
診療時間内のご希望のお時間で検診可能です。
たらちねクリニックでは年に数回、土日祝祭日などに甲状腺のみの検診日を定期的に設けております。
また、「たらちねクリニック」以外の場所で定期的に出張検診も行っております。
検診日のお知らせはこちらをご覧ください。 » 検診日のお知らせ