さまざま存在形態のトリチウムを測定するための前処理
試料水の精製
低レベルのトリチウム濃度を精度よく測定するためには、トリチウム以外の放射性核種を、塩類等を除去する必要がある。
低レベルのトリチウム濃度を精度よく測定するためには、トリチウム以外の放射性核種を、塩類等を除去する必要がある。
前処理法
減圧蒸留法 エバポレータの導入
前処理方法
試料水に、試薬をいれ溶解する。
ロータリーエバポレータを、毎分60回程度で回転させ、試料が乾固するまで蒸留する。
自由水型トリチウムの分析
海水や川水、湖水、雨水、水道水といった水の種類でどう違いがあるのか、地域や季節によって変動があるのかなど、様々な比較をすることができる。
分析法
電解濃縮法 電解濃縮装置の導入(2020年12月)
測定対象
海水や水道水、川水などH2Oとして存在する。
トリチウムを測定する。
前処理方法
減圧蒸留にて精製する。
蒸留水を電解濃縮装置で1000mlを50mlまで濃縮し測定する。
組織自由水型トリチウム
生体内で水の状態で存在し、海水のトリチウム濃度とほぼ同じ濃度となるため、魚が生息する海水中のトリチウム濃度と比較をすることができる。
分析法
真空凍結乾燥法 真空凍結乾燥機の導入(2022年3月)
測定対象
魚の身の中にH2Oとして存在するトリチウムを測定する。
前処理方法
凍結乾燥機を使用し,昇華した水分を凝結させて回収する。
還流蒸留にて精製し測定する。
有機結合型トリチウムの分析
生体内のDNA,RNA,タンパク質などと存在し、海水と置き換わるのに時間がかかるため、生体に蓄積する可能性がある。
分析法
石英管燃焼法 燃焼装置の導入(2022年6月)
測定対象
魚の身の中の有機物として存在するをトリチウムを測定する。
前処理方法
石英管燃焼装置を用いて、燃焼した試料から揮発した水を回収する。
還流蒸留にて精製し測定する。